プラズマグレイセラミックZrO2/ZrC
ブランパン フィフティファゾムス バチスカーフのモデルの一つにプラズマグレイセラミックを使用した青文字盤モデルがあり、裏側にはZrO2/ZrCと刻印されている。同じバチスカーフでもブラックセラミックモデルはZrO2とあるだけだ。
ジルコニアに炭化ジルコニウム(銀色)をコーティングしているのかな、と気になって調べたらこんな記事があった。
オメガのグレイサイドオブザムーンの記事だが同じスウォッチグループなので、もちろん同じケース素材だろうと思う。
とりあえずコーティングではないことが写真からも分かる。しかし、一体どうやって切断したんだろう??
ヌープ硬度についてはジルコニアが1800で、炭化ジルコニウムは2150。なおサファイアクリスタル(コランダム)は2025なので、風防よりケースの方が硬いみたいな。
そもそも炭化ジルコニウムを生成する方法がジルコニアとグラファイトをプラズマ加熱するというもので、RADOのプラズマグレイセラミックのケース製造過程も別に特別なプロセスではないということが分かった次第。
単にZrCと表記しないのは、全てが炭化ジルコニウムに変換されるわけではななく混ぜ物のような状況になっているためかな、と勝手な想像。
さすがにここまでの硬度の素材となると、ケースをうっとり眺めるというより、どうやって加工しているのか、思いを巡らせ気が遠くなる。
バチスカーフ フライバッククロノグラフ ブラックセラミック をナデナデしながら書いているのだが、圧倒的な硬度に関わらずとても優しいさらさらした触り心地で癒される。
シチズン Caliber 0100
バーゼル2019でシチズン Caliber 0100 が腕時計として発表された。
昨年公開された懐中時計版と文字盤デザインは似ている。
個人的には懐中時計版の水晶をモチーフにした文字盤デザインが好きだったが。
国産クォーツが好きになれないのはインデックスに届かない不恰好な短い秒針のせいだが、これは違う。
先端が文字盤に向かって曲げられた長い秒針はインデックスの外端まで届いている。
インデックス自体も長い。長い目盛りが与える印象のせいか、ジャガールクルトのジオフィジックと雰囲気は似ていると思う。
商品サイトでもこの長い秒針とインデックスについて記載がある。
…エコ・ドライブで運針可能な限界値まで長く設計した真鍮秒針…略…針がブレることなく、切分の同一線上にぴたりと重なり…
量産国産クォーツ時計が短い秒針を採用しているのは、
やはり針ずれ問題を嫌っているのと、
長い針のステップ駆動のための駆動パワーの問題を解決するためだということがよく分かる。
黒蝶貝のモデルはチタン製で気に入ったが、
価格はなかなかだ。
他社の年差クォーツだと、セイコーの年差ドルチェは定価五万円からだし、
ただ、これらは年差+-10秒から5秒であり、チタンモデルはない。
圧倒的な年差精度と、チタンやホワイトゴールドのケース、
クリーンな文字盤デザインに80万円の価値はあると思う。唯一無二だ。
IWCとブランパンのメタルブレスレット
時計に興味をもったのはIWCのパイロットウォッチを同僚にみせてもらったのがきっかけだった。まるで何か専用の工具のような、頑丈そうな時計だという印象を持った。
ステンレスケース全体がブラシ仕上げと鏡面仕上げの組み合わせで仕上げられており、ブレスレットは尾錠に向かってテーパーせずラグの幅のまま一周している。
ひどく無骨でいて高級感があった。一目見てずっと心にひっかかり、結局購入したのがSPITFIRE MARK XVIだった。いまも気に入って使っている。クラシックMARK XVIと違い全てのインデックスに夜光塗料が塗られているのがいい。
ブライトリングに「時計ではない、計器である」という広告コピーがあるが、IWCにこそ相応しいと今でも思っている。
そしていま気になっているのはブランパン バチスカーフのメタルブレスレットだ。
IWC以上に高い次元で無骨さと高級感を両立させていると思う。
最近、自身に金属アレルギー疑惑が出てきたため、ステンレス素材を敬遠気味だが自宅で愛でるためだけに欲しい。
ケースがセラミックのモデルがあるため、今後ブレスレットのセラミック化に期待している。